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オペラ辞典 T-Z

2022年1月26日

オペラのタイトルの邦訳など。
上演時間・構成は劇場によって異なるので、目安とお考え下さい。

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タイトル 英語 / ロシア語 / 日本語
基本データ
あらすじなど



<T>

Il tabarro / Плащ / イル・タバッロ(外套)

音楽:ジャコモ・プッチーニ
演出:ワルター・レ・モーリ(M)
構成:1幕(小品)
上演時間:0:55

伝馬船の船長ミケーレ(50歳)の美しい妻ジョルジェッダ(25歳)。働き者だが満たされないものを感じているジョルジェッダは、ある日若い人夫のルイージに心引かれ、夜が更けてからマッチを擦ったらそれを合図に会いに来るよう、彼に告げる。

妻のすげない振る舞いに、男ができたと直感したミケーレが、偶然パイプに火をつけると、合図と勘違いしたルイージが忍んで来る。激昂したミケーレはルイージを絞め殺すが、妻が戻って来たので、死体を自分の外套の中に隠す。


The tale of Tsar Saltan / Сказка о царе Салтане / 皇帝サルタンの物語

音楽:N・リムスキー=コルサコフ
演出:アレクサンドル・ペトロフ(M)
構成:4幕+PRO
上演時間:3:00

3人姉妹の末妹が皇帝サルタンの妃に選ばれたが、二人の姉は妹に嫉妬し、皇帝を騙して生まれたばかりの王子クヴィドーンとともに島流しにさせる。成長したクヴィドーンはある時白鳥を助けるが、その白鳥は魔法によって姿を変えられた王女であり、魔法を操る。白鳥は、恩返しとして母である妃とともに魔法の島に連れていき、クヴィドーンはその島の王となる。その後、皇帝サルタンは船乗りたちから、その魔法の島の物語を聞き、クヴィドーンの存在を知る。クヴィドーンは白鳥の魔力で蜂に変身し、姉たちを刺す。皇帝は姉たちに騙されていたことを知り、魔法の島にクヴィドーン達を迎えに行く。白鳥は美しい王女の姿に戻り、クヴィドーンと結ばれる。


Toska / Тоска / トスカ

音楽:ジャコモ・プッチーニ
演出:ポール・カラン(M)
構成:3幕
上演時間:2:30

舞台は1800年のイタリア、ローマ。革命派の画家カヴァラドッシは、脱獄してきた同志アンジェロッティをかくまうが、それを恋人の歌姫トスカに浮気だと勘違いされてしまう。王党派の警視総監スカルピアは彼女の嫉妬を利用し二人を逮捕する。スカルピアは銃殺刑に決まったカラヴァドッシの助命と引き換えに彼女の体を求めたのでトスカは彼を刺し殺してしまう。

処刑場にかけつけたトスカは、カヴァラドッシに「銃は空砲で、その後は国外に脱出できるのだ」と告げるが銃は実弾で、彼は本当に処刑されてしまう。恋人の死に絶望した彼女のもとに、スカルピア殺害を知った追手がかかり、彼女は城壁から身を投げる。


La traviata / Травиата / ラ・トラヴィアータ(椿姫)

音楽:ジュゼッペ・ヴェルディ
演出:シャルル・ルボー(M)
構成:3幕4場
上演時間:3:15

パリの高級娼婦ヴィオレッタは、貴族の息子アルフレードの真撃な愛に心を開く。二人は郊外で一緒に暮らすが、アルフレードの父ジェルモンがヴィオレッタを訪ね、自分の息子の縁談のために別れてほしいと頼む。ヴィオレッタは涙をのんで身を引く。これを彼女の心変わりと捉えたアルフレードは夜会で彼女を罵るが、やがて誤解とわかった時は既に遅く、ヴィオレッタは肺を病んでおり、愛するアルフレードの腕に抱かれ息絶える。


Tristan and Isolde / Тристан и Изольда / トリスタンとイゾルデ
音楽:リヒャルト・ワーグナー
演出:ドミトリー・チェルニャコフ(M)
構成:3幕
上演時間:5:30

トリスタンは、イゾルデとの婚姻を目論むマルケ王の使いとしてアイルランドからコーンウォールへの彼女の移送の任務を負わされる。彼は彼女の許婚マロルドを殺した仇であり、彼女はトリスタンを殺して自分も死ぬため、母に毒薬を作らせるが、それは毒薬でなく媚薬で二人は愛しあうように。マルケ王の城でトリスタンとイゾルデは、狩りに出た王の留守中に密会を図るが、密告されて王に露見し、怪我を負って逃れる。

ブルターニュにあるトリスタンの城。忠臣クルヴェナルはイゾルデに使いを送りトリスタンは最後の力を振り絞って、彼女の腕の中で死ぬ。マルケ王は2人の仲を許すため彼女を追って来ていたが、イゾルデもトリスタンの後を追って死に、後に王が残される。


The Tser's Bride / Царская невеста / 皇帝の花嫁

音楽:N・リムスキー=コルサコフ
演出:ユーリ・アレクサンドロフ(M)
構成:4幕
上演時間:3:00

グレゴーリイは貴族ルイコフの婚約者、マルファに横恋慕しており、そのためグレゴーリイの恋人、リュバーシャはマルファに復讐を誓う。グレゴーリイはマルファに惚れ薬を飲ませるために、ルイコフとマルファの婚礼の祝杯をあげさせたその時、親衛隊員が現れマルファが皇帝の花嫁に選ばれたと告げる。

皇帝の婚約者として宮廷に連れてこられたマルファは、ルイコフが処刑されたことを知り、ショックで正気を失ってしまう。グレゴーリイは惚れ薬が効いていないことに怒る。そこへリュバーシャが美貌を奪う薬にすりかえたことを告白すると、グレゴーリイは彼女を刺し殺し逮捕される。


Turandot / Турандот / トゥーランドット

音楽:ジャコモ・プッチーニ
演出:シャルル・ルボー(M)
構成:3幕5場
上演時間:2:35

氷のように冷たい心を持つトゥーランドット姫は、求婚者に三つの謎を解くことを求め、出来ない者の首を刎ねてしまう。その中でダッタンの王子カラフが見事に謎を解く。しかし姫が求婚を拒んだので、逆に王子は自分の名を当てるよう謎かけをし、「夜明けまでにわかったら命を捧げよう」と言う。トゥーランドットは、王子の名前を聞き出すために、彼の昔馴染みの奴隷・リューを拷問にかける。しかし王子を愛するリューは自ら命を絶ち、結局名前はわからないまま夜明けを迎える。王子はトゥーランドットの唇を奪い、彼女の心を開き、そこで初めて自らの名を告げる。 


The turn of the Screw / Поворот Винта / ねじの回転

音楽:ベンジャミン・ブリテン
演出:デービット・マクビカー(M)
構成:2幕+PRO
上演時間:2:20

よく躾をされた幼い兄妹マイルズとフローラ、家政婦のグローズ夫人の家に、新しい女家庭教師がやってきた。そこへマイルズを溺愛していた以前の使用人クィントの幽霊と、自殺した前任の家庭教師ミス・ジェッスルの幽霊が現れ、幽明界を異にする四人の大人達の子供を巡る争奪戦が始まる。

甘い言葉をささやく幽霊達に対し、現世の二人は兄妹に厳しく接するため、子供達の心は幽霊の方に傾く。最後の賭に出た女家庭教師はマイルズに激しく詰め寄り、彼はなんとか目覚めるが、しかし同時にマイルズの心臓は鼓動を止めていた。

<W>

Il viaddio a Reims / Путешествие в Реймс / ランスへの旅

音楽:ジョアキノ・ロッシーニ
演出:アレン・マラトラ(M)
構成:1幕
上演時間:2:40

ランスで開催されるフランス新王シャルル10世の戴冠式を祝し見物するために、人々が温泉宿・金の百合亭に集まる。彼らが巻き起こす様々なドタバタ騒ぎを描いたコメディで、抱腹絶倒のストーリーが展開。


Die Walkure / Валькирия / ワルキューレ(ニーベルングの指輪-2)

音楽: リヒャルト・ワーグナー
演出: V・ゲルギエフ(案)、G・ツィーピン(M)
構成: 3幕
上演時間:5:00

ヴォーダンの息子ジークムントは敵・フンディングの館で、彼の双子の妹ジークリンデに出会い、愛し合うが、結婚の神は兄妹の近親相姦を断罪し、兄妹は逃避行する。一方ブリュンヒルデはふたりの愛に打たれ、ヴォーダンの命令どおり、決闘でジークムントを応援するが、彼は破れて死ぬ。


ブリュンヒルデとジークリンデはワルキューレたちの元に逃れ、ジークリンデはお腹の子どもを生むために森に入る。怒り狂ったヴォータンは、裏切ったブリュンヒルデを封じ込めると宣言するが、ブリュンヒルデの本望が父の救済にあったことを知り、真の英雄だけが彼女の眠りを覚ますことができるだろうと予言して、岩山を燃えさかる炎で包む。


War and Peace / Война и мир / 戦争と平和

音楽: セルゲイ・プロコフィエフ
演出: アンドレイ・コンチャロフスキー(M)
構成: 2幕
上演時間:3:55

若くして男やもめになったアンドレイは滞在先のロストフ家の令嬢ナターリアを見初め、社交界デビューしたての彼女に愛を告白し、婚約する。しかしナターリアに惹かれた放蕩者アナトリーは手紙を渡し、ナターリアは心を動かされる。駆け落ちを計画するが失敗する。

フランスとの戦争が始まり、ロシア兵の退去によるフランス軍の占領を恐れたモスクワ市民は自ら街に火を放つ。ロストフ家が郊外へ避難すると、瀕死のアンドレイの元にナターリアがかけつけ、彼に許しを請うが、彼は彼女に愛を告白したペテルブルクの舞踏会を回想しながら死んでいく。フランス軍が撤退して行く。民衆は祖国への愛と平和を称える。


Werther / Вертер  / ウェルテル

音楽:ジュール・マスネ
演出:ミハイル・ブィチコフ(D)
構成:4幕
上演時間:約2時間

若き詩人ウェルテルは、美しき従姉妹シャルロットに恋をするが、彼女には既に婚約者アルベールおり、程なく二人は結婚する。アルベールの妹ソフィーはウェルテルを愛していたが、シャルロットを諦められないウェルテルは、自殺を決意する。シャルロットの心は激しく揺れ動くものの、結局ウェルテルはクリスマス・イブにピストル自殺する。


Wozzeck / Воццек / ヴォツェック

音楽:アルバン・ベルク
演出:ドミトリー・チェルニャコフ(B)
構成:3幕5場
上演時間:約1時間半

ヴォツェックは貧しい理髪師上がりの兵卒。彼には妻マリーと、子どもがいるが、生活費のために彼は医者の実験台になっており、既に彼の言動はおかしくなりつつある。そんな中、マリーは鼓手長に誘惑され、浮気してしまう。ヴォツェックは2人を殺そうと決意する。鼓手長には力が及ばず殺し損ねてしまうが、月夜、彼は池のほとりでついにマリーを刺し殺す。その後、彼は酒場で大騒ぎして、手についた血痕を見とがめられる。既に完全に精神に異常をきたしている彼は自らその池に入り、溺死する。

<Z>

Die Zauberfloete / Болшебный Флейта / 魔笛
音楽: セルゲイ・プロコフィエフ
演出: ウォルフガンク=A・モーツアルト
構成: 2幕(ドイツ語)
上演時間:2:45

王子タミーノは、ザラストロにさらわれた夜の女王の娘パミーナを救うように、彼女の侍女達に頼まれ、魔法の笛を授けられる。お供の鳥刺しパパゲーノと共に、パミーナの前までたどり着き、お互いが夢に見ていた恋人だと気がつくが、ザラストロは王子に沈黙の試練を与えて引き離す。それに合格すると今度は二人に火と水の試練を課す。全てに打ち勝った2人は、ザラストロに祝福されて結ばれる。


*略号 PRO = プロローグ / EPI = エピローグ / (B) = ボリショイ劇場 /(D)= モスクワ音楽劇場 / (M)= マリインスキー劇場 / (L)= ミハイロフスキー劇場


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