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オペラ辞典 Q-S

2022年1月26日

オペラのタイトルの邦訳など。
上演時間・構成は劇場によって異なるので、目安とお考え下さい。

A-E / F-L / M-P / Q / R / ST-Z

タイトル 英語 / ロシア語 / 日本語
基本データ
あらすじなど



<Q>

The Queen of Spades / Пиковая дама / スペードの女王

音楽:ピョートル・チャイコフスキー
演出:アレクサンドル・ガリビン(M)
構成:3幕7場
上演時間:4:20

ゲルマンはエレツキー公爵の婚約者リーザに苦しい恋をしている。彼女を手に入れるため、リーザの母である伯爵夫人から「必ず勝つ3枚のカードの秘密」を聞き出そうとするが、夫人は恐怖で発作を起こして死んでしまう。しかし彼女の亡霊があらわれて、カードの秘密を明かす。秘密を得たものの、彼はカードにとりつかれ遂には破滅する。


Requiem / Реквием / レクイエム
音楽:ジョゼッペ・ヴェルディ
演出:演奏会形式(M)
構成:休憩なし
上演時間:1:30

演奏会形式となっていますが、凝った演出で、またコーラスの人数も非常に多い大規模なプロダクションです。



<R>

Das Rheingold / Золота Рейна / ラインの黄金(ニーベルングの指輪-1)

音楽: リヒャルト・ワーグナー
演出: V・ゲルギエフ(案)、G・ツィーピン(M)
構成: 3幕
上演時間:2:40

アルベリヒが河に潜り、ラインの娘たちに求愛するが、嘲笑を浴びる。愛を断念し、ラインの黄金で指環を作れば無限の力が得られると聞いたアルベリヒは、黄金を奪う。

ヴォータンは巨人族を雇って山の上にヴァルハルの城を建てさせるが、約束の賃金を払えなかったので、巨人族はフライアを人質として連れ去る。ローゲはアルベリヒから指環を奪ってそれを支払に当てれば良いと進言し、二人は地底に赴き、アルベリヒを騙してまんまと指環を手に入れる。
アルベリヒは指環に死の呪いをかける。ヴォータンが巨人たちに指環を与えると、呪いのため兄が弟を殴り殺し、神々の黄昏が予言される。


Rigoletto / Риголетто / リゴレット

音楽:ジュゼッペ・ヴェルディ
演出:イルキン・ガビトフ(M)
構成:3幕
上演時間:3:00

舞台は16世紀のイタリア。主人公は、二枚目で好色なマントヴァ公爵に仕えるせむしの老道化師リゴレット。彼には、亡き妻の忘れ形見である美しい一人娘ジルダがいる。公爵は身分を隠してジルダに言い寄り、彼女も公爵を想うようになる。そんな時、リゴレットを憎む廷臣たちが、ジルダを彼の情婦と勘違いして誘拐、そして偶然にジルダは公爵の手に渡る。溺愛する清純なひとり娘をマントヴァ公爵に汚されたリゴレットは公爵に復讐するべく殺し屋を雇うが、公爵を愛していたジルダは自ら身代わりになる。成果を確認ようと死体袋を開けたリゴレットが見たものは、最愛の娘の瀕死の姿だった。


Der Rosenkavalier(ドイツ語)  / Кавалер розы / ばらの騎士

音楽: リヒャルト・シュトラウス
演出: スティーブン・ロウレス
構成: 3幕
上演時間:4:15

18世紀半ばのウィーンが舞台。元帥夫人とオクタヴィアンは愛人関係。元帥夫人は、好色で有名な彼女のいとこのオックス男爵がゾフィーと婚約したので、オクタヴィアンをゾフィーに銀のばらをプレゼントするための「ばらの騎士」に推薦する。しかし、オクタヴィアンとゾフィーはお互いに一目ぼれ。実はオックス男爵にうんざりしていたゾフィーは、オクタヴィアンに頼んで彼と決闘してもらうことに。
オクタヴィアンは一計を講じ、元帥夫人の小間使いを装った手紙を送りオックス男爵をおびきよせ、女装して男爵をからかう。それを見ていたゾフィーの父は男爵に愛想を尽かす。そこへ元帥夫人が現れ、男爵に身を引くように言い、自らも立ち去る。


Le Rossignol / Соловей / 夜鳴き鶯(アンデルセン童話による)

音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
演出:アレクサンドル・ペトロフ(M)
構成:3幕
上演時間:0:45

中国の皇帝が、所有者である漁師より召し出してナイチンゲール(夜鳴き鶯)の鳴き声を楽しんでいると、日本の皇帝(天皇)から機械仕掛けのナイチンゲールが送られてきたので、鳴き比べをさせると本物のナイチンゲールは逃げてしまった。
皇帝は病気になってしまう。機械仕掛けの鳥も壊れてしまい、精密機械の悲しさか誰も直せず、皇帝は死の床に臥す。そこへ逃げた本物のナイチンゲールが帰って来て、鳴き声で皇帝は癒され、平癒する。


Rusalka / Русалка / ルサルカ
音楽: アントニン・ドヴォルサーク
演出: イーゴリ・コニャエフ(L)
構成: 3幕
上演時間:3:15

水の妖精ルサルカは、人間の王子に恋したため、魔女に頼んで人間にしてもらうが、代わりに声を失い、その上、王子と結ばれなければ、自分も王子も破滅する運命となる。王子はルサルカに一目ぼれし、城に連れて帰るが、次第に喋ることができない彼女に冷め、外国の王女に心を移す。悲しむルサルカをみて、彼女の父親代わりの水の精の男が城の庭の池から現れ、人間の王女に愛を誓う王子に呪いをかけ、ルサルカを連れ帰る。王子は王女に助けを求めるが、王女は拒絶する。

魔女は、王子を殺せば自分は助かるとルサルカに告げるが、ルサルカは拒む。呪いに絶望した王子はルサルカを呼び、彼女に抱擁と接吻を求める。それは王子に死をもたらすものであるが、王子はそれを受け入れて息絶える。


Ruslan and Lyudmila / Руслан и Людмила / ルスランとリュドミラ
音楽:ミハイル・グリンカ
演出:ロトフィ・マンスーリ(M)
構成:5幕
上演時間:4:40

キエフ大公の娘リュドミラ姫が悪魔にさらわれてしまい、3人の求婚者のうち姫を助け出した人が結婚できることになる。悪魔との戦いや3人のライバル同士の争いの末、最後に騎士ルスランが姫を救い結婚する。



<S>

Sadko / Садко / サトコ(ロシア古代叙事詩による)

音楽:N・リムスキー=コルサコフ
演出:アレクセイ・ステパニュック(M)
構成:1幕7場
上演時間:3:55

物語はいわば、ロシアの古都ノブゴロドを舞台にした「ロシア版浦島太郎」。美しい声でグースリ(琴のようなロシアの民族楽器)を弾く商人サトコは海底王国の王女ヴォルホヴァに見初められ富を得るが、彼は海外交易の途中、海王の求めにより海底王国へ一人沈み、彼女と結婚することになってしまう。二人を祝う大饗宴の中で現れた聖人の幻影の声により王国は姿を消し、サトコは地上に戻り、妻や仲間達と再会して大団円。


Samson et Delila / Самсон и  Далила / サムソンとデライラ

音楽:カミーユ・サン=サーンス
演出:シャルル・ブロー(M)
構成:3幕(フランス語)
上演時間: -

ヘブライ人の英雄サムソンは群集に「ペリシテ人からイスラエルを解放しよう」と呼びかけ決起させる。しかし、妖艶なペリシテ娘のデリラに誘惑されて、彼の怪力の秘密は髪の毛にあると教えてしまった結果、ペリシテ人に捕らえられてしまう。


神殿の中で、ペリシテ人たちが勝利の宴を催し、サムソンが引き出される。ペリシテ人たちが乱舞する中、彼がしばらくの間でも昔の力が蘇るように神に祈って柱をゆすると、彼の怪力は蘇る。神殿は崩壊し、その場にいたペリシテ人は、サムソンもろとも神殿の下敷きとなり、息絶える。


Siegfried / Зигфрид / ジークフリード(ニーベルングの指輪-3)

音楽: リヒャルト・ワーグナー
演出: V・ゲルギエフ(案)、G・ツィーピン(M)
構成: 3幕
上演時間:5:15

ジークフリートは、親の形見であるノートゥングの剣を鍛え直すよう、育ての親・ミーメに命じるが、とても彼の手には負えない。そこにさすらい人がやって来て、剣を鍛えられるのは恐れを知らぬ者だけだ、と告げると、ミーメはそれがジークフリートを指すことを悟る。

森の奥には大蛇・ファフナーが財宝の洞窟を守っている。アルベリヒが見張っていると、さすらい人とミーメ、ジークフリートが現れる。ジークフリートは大蛇を打ち負かし、その返り血を浴びた彼は不死身となり、鳥の声を解するようになった。、彼は鳥の導きにより指環と隠れ頭巾を手に入れ、そのままブリュンヒルデの眠る岩山に突進し、目覚めたブリュンヒルデを救い出し、愛を誓い合う。


The Snow Maiden / Снегурочка / 雪娘

音楽:N・リムスキー=コルサコフ
演出:アレクサンドル・ガリビン(M)
構成:4幕+PRO
上演時間:3:55

ロシアではよく知られた民話のキャラクターである雪娘(スネグーロチカ)が主人公となる寓意的な物語。霜の精と春の精の間に生まれたスネグーロチカは、恋というものを知りたくなりベレンデイの国へ行き人間たちと共に暮らし始める。美しい彼女の登場は人間世界にひと騒動を巻き起こすが、最後に本当の恋を知ったスネグーロチカは溶けて無くなってしまう。


Suor Angelica / Сестра Анжелика / 修道女 アンジェリカ

音楽:ジャコモ・プッチーニ
演出:ワルター・レ・モーリ(M)
構成:1幕(小品)
上演時間: -

修道女アンジェリカは、7年前親の許さぬ子を産んだために修道院へ入れられていたが、ある日伯母の公爵夫人が尋ねて来る。伯母は、アンジェリカの妹が結婚するので、遺産相続に関する書類への署名を求めてやって来たのだ。妹の結婚を喜び、我が子の安否を伯母に尋ねるが、2年前に病気で死んだと冷たく告げられる。絶望したアンジェリカは、薬草で毒を調合し、それをあおいで、聖母マリアに自殺の罪を詫び、救いを求める。すると奇跡が起こり、子供を連れた聖母が現れ、子供を母アンジェリカに押しやると、彼女は子供を手に静かに息を引き取る。

*略号 PRO = プロローグ / EPI = エピローグ / (B) = ボリショイ劇場 /(D)= モスクワ音楽劇場 / (M)= マリインスキー劇場 / (L)= ミハイロフスキー劇場


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