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マリインスキー劇場 『ガリーナ・ウラーノワ生誕100周年記念コンサート』 2010年1月8日
2010年1月8日
ソ連時代のもっとも偉大なバレリーナといえば、間違いなくこの人の名が挙がります。彼女はワガノワの教え子で、最初はマリインスキー劇場のダンサーでしたが、のちにボリショイ劇場に政府の意向で移籍し、国内だけでなく世界的な名声を得ました。高度なテクニックを持ちながらも、それは奇跡的なまでに自然に見える感情表現、卓越した演技の中に完全に溶け込み、観客が見るのは清廉な魂の化身でした。観客の心を暖かく柔らかい光で満たし、静かな、けれども絶対的な感動を呼ぶ彼女の踊りは今でも最大の称賛をともなって語り継がれています。
記念すべきこの日は、モスクワからワシリエフ、ミラノからカルラ・フラッチ、フランスからミカエ...
すべての劇場を愛する人々へ:劇場博物館のレポート 2009年12月19日
2009年12月19日
すべての劇場を愛する人々へ
ガイドブックにも載っているのではないかと思うのですが、特にお勧めの劇場博物館三件をレポートします。
アレクサンドリンスキー劇場内博物館 (ドラマ劇場)
オストロフスキー広場6番(メトロ:ガスチーヌィ・ドゥボール)
https://en.alexandrinsky.ru/zaly/
展示品を保護するために一日に約2時間しか開けないというちょっとレアな博物館です。お客さんはまずその日の劇のチケットを買って、劇が始まる前と休憩時間にのみ観覧することができます。ちなみに博物館観覧料は観劇料とは別で、50ルーブル(2009年12月現在)かかります。とても内容が充実...
ロシア国立チャイコフスキー記念ペルミ・バレエ 『ファデッタ(二幕四場のバレエ)』 2009年11月20日
2009年11月20日
音楽:L・ドリーブ
脚本:L・ラブロフスキー、V・ソロビヨフ(J・サンドの小説「愛の妖精-Le Petite Fadetta」をもとに)
振付・演出:N・ボヤルチコフ(1936年のラブロフスキー版を部分的に使用)
美術:V・オークネフ
出演
アンドレ:I・ミハリョフ
マドロン:N・マキナ
レネ:G・スタリコフ
ファデッタ:I・ビラシュ
この作品は、前日の11月19日がペルミでの初公開でした。冗談好きで謙虚な振付家のボヤルチコフいわく「僕は何もしてないよ」とのことですが、実際に出来上がった作品のうちラブロフスキーの振付は二曲にとどまっています。第二ヒロイン・マドロンのヴァリエー...
マリインスキー劇場 『ジゼル』 2009年11月19日
2009年11月19日
作曲:A・アダン リブレット:J・サン=ジョルジュ、T・ゴーチエ、J・コラッリ
振付:J・コラッリ、J・ペロー、M・プティパ
指揮:M・シンケーヴィチ
ジゼル:E・オブラスツォーワ
アルブレヒト:L・サラファーノフ
ハンス(ヒラリオン):Y・スメカーロフ
ミルタ:T・トカチェンコ
モンナ(ウィリ): Y・カセンコワ ジュリマ(ウィリ):E・エフセーエワ
パ・ドゥ・ドゥ(一幕):E・エフセーエワ、R・ボボブニコフ
本当によくできたバレエで何回見ても飽きることがないなぁと再確認でした。短い(休憩入れて二時間十分)ながらドラマチズムがぎゅっと凝縮されていて、無駄な部分もな...
マリインスキー劇場 『バレエソリストたちのガラ・コンサート』 2009年11月17日
2009年11月17日
指揮-ミハイル・アグレスト
今回のガラ・コンサートもバラエティに富んだ内容で、マリインスキー劇場のレパートリーの充実を証明する舞台になりました。最近復活公演があったばかりのスコットランド・シンフォニーを始め、パ・ド・カトルや海賊などのクラシック、ソ連時代の作品に、ラトマンスキーのシンデレラなど現代のものまで時代的に幅広い作品選択です。
<第一部>
スコットランド・シンフォニー
音楽:F・メンデルスゾーン 振付:J・バランシン
出演:A・マトビエンコ、A・セルゲーエフ、V・マルティニュク、他
ロパートキナが出演した復活公演初日(10月30日)よりも作品の良さが発揮されたかもしれませ...