他の記事を探す
エルミタージュ劇場 『バレエ・ミニアチュール』-L・ヤコブソンとY・ペトゥホフ振付 (サンクト・ペテルブルク・アカデミー・バレエ) 2010年3月3日
2010年3月3日
「バレエ・ミニアチュール」はもともとヤコブソンが創った一連の小品集の総称ですが、今夜は「小品集」の意味で今夜のコンサートの題名になりました。第一部はヤコブソンによる振付、第二部は現在の芸術監督ペトゥホフの作品が並びました。
<第一部>
「パ・デ・カトル」
音楽:V・ベッリーニ
19世紀前半の有名なバレリーナ4人(タリオーニ・チェリート・グリジ・グラン)を描いた銅版画から着想を得たそうですが、同時に空・風・雨・雲を象徴してもいるのだとか。19世紀に作られたパ・デ・カトルでは、希代の名花たちがそれぞれの魅力を最大限に観客に披露しました。そこでは優雅な女性美が強調されました。20世紀のヤコブソン...
マリインスキー劇場 『シュラレ』 2010年2月21日
2010年2月21日
三幕四場
作曲:F・ヤルーリン 脚本:A・ファイジ、L・ヤコブソン(タタールの民話に題材をとって)
1950年の作品再演 振付:L・ヤコブソン
シュインビケ、鳥もしくは女の子:M・ドゥムチェンコ
アリ-バティール、狩人:I・シトニコフ
シュラレ、悪い森の精:A・セルゲーエフ
タタールの美しい民族衣装、風景が目に鮮やかな、色彩あふれる舞台です。曲にも民族音楽の要素がふんだんに取り入れられています。お話は、簡単に言うと白鳥の湖と天の羽衣を足した感じです。シュインビケに恋する森の精シュラレは、彼女が白鳥の姿になって飛び立っていかないように彼女の羽を隠してしまいます。シュラレから逃げようとする...
マリインスキー劇場 『ガリーナ・ウラーノワ生誕100周年記念コンサート』 2010年1月8日
2010年1月8日
ソ連時代のもっとも偉大なバレリーナといえば、間違いなくこの人の名が挙がります。彼女はワガノワの教え子で、最初はマリインスキー劇場のダンサーでしたが、のちにボリショイ劇場に政府の意向で移籍し、国内だけでなく世界的な名声を得ました。高度なテクニックを持ちながらも、それは奇跡的なまでに自然に見える感情表現、卓越した演技の中に完全に溶け込み、観客が見るのは清廉な魂の化身でした。観客の心を暖かく柔らかい光で満たし、静かな、けれども絶対的な感動を呼ぶ彼女の踊りは今でも最大の称賛をともなって語り継がれています。
記念すべきこの日は、モスクワからワシリエフ、ミラノからカルラ・フラッチ、フランスからミカエ...
すべての劇場を愛する人々へ:劇場博物館のレポート 2009年12月19日
2009年12月19日
すべての劇場を愛する人々へ
ガイドブックにも載っているのではないかと思うのですが、特にお勧めの劇場博物館三件をレポートします。
アレクサンドリンスキー劇場内博物館 (ドラマ劇場)
オストロフスキー広場6番(メトロ:ガスチーヌィ・ドゥボール)
https://en.alexandrinsky.ru/zaly/
展示品を保護するために一日に約2時間しか開けないというちょっとレアな博物館です。お客さんはまずその日の劇のチケットを買って、劇が始まる前と休憩時間にのみ観覧することができます。ちなみに博物館観覧料は観劇料とは別で、50ルーブル(2009年12月現在)かかります。とても内容が充実...
ロシア国立チャイコフスキー記念ペルミ・バレエ 『ファデッタ(二幕四場のバレエ)』 2009年11月20日
2009年11月20日
音楽:L・ドリーブ
脚本:L・ラブロフスキー、V・ソロビヨフ(J・サンドの小説「愛の妖精-Le Petite Fadetta」をもとに)
振付・演出:N・ボヤルチコフ(1936年のラブロフスキー版を部分的に使用)
美術:V・オークネフ
出演
アンドレ:I・ミハリョフ
マドロン:N・マキナ
レネ:G・スタリコフ
ファデッタ:I・ビラシュ
この作品は、前日の11月19日がペルミでの初公開でした。冗談好きで謙虚な振付家のボヤルチコフいわく「僕は何もしてないよ」とのことですが、実際に出来上がった作品のうちラブロフスキーの振付は二曲にとどまっています。第二ヒロイン・マドロンのヴァリエー...