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2008・4・09 「ラ・バヤデール」  モスクワ・ボリショイ劇場 inクレムリン宮殿劇場

2008年4月9日

(ニキヤ…スヴェトラーナ・ルンキナ)
(ソロル…ニコライ・ツェスカリーゼ)
(ガムザッティー…マリヤ・アレクサンドロワ)

 ボリショイ新館で結構回数を重ねて観ている演目ですが、クレムリンだとまたちょっと違った雰囲気。オーケストラの音がマイク通して聞こえてくることとか、ステージがだいぶ広く感じられることとか。でもまあ、内容は同じです。
(↑そのせいか、袖に引っ込む時に歩幅間違える?ダンサーが何人か…)

 ルンキナは…清楚で、綺麗で可憐なバレリーナだと思います。ただ、ニキヤはどうも彼女に合ってないような気がしてなりません。動きひとつひとつに、“舞姫”としての雰囲気がなかったように感じられました。たぶん、艶っぽさがそこに足りなかったのだと思います。そしてこの日は踊りもあまり調子が良くなかったようです。特に2幕目の結婚式で花かごを持って踊る場面の所は、怪我をしたのでは?と思うくらい、踊りになっていませんでした。
(2幕後のカーテンコールに姿がなかったし、どこか調子が良くなかったのでしょうか…)
 それでも3幕目は持ち直したのか、しっかりと踊っていました。1幕目のガムザッティとの修羅場(!?)は、割と良かったと思います。控えめでも意思はしっかりと持っているニキヤでした。

一方そのガムザッティ、アレクサンドロワ。自信満々。それがしっかりわかりました。事実、踊りも然ることながら、ガムザッティとしての彼女は凛として格好良かったです。毎度ながら、彼女がその役を通して伝えようとするものがよくわかります。彼女のガムザッティは初めて見ましたが、よく似合っていました。
 踊りがいつも安定しているイメージのあるアレクサンドロワですが、この日は特にコンディションが良さそうでした。表情も踊りも生き生きとしていて、「あ、今日キレイだな~」とつい独り言。

 ツェスカリーゼのソロルは何度か観た事があるのですが、役について敢えて何か言えるとしたら“馴染んでいる”? この日はそこそこ調子も悪くなさそうで、しなやかに踊っていました。
 この頃ちょっと踊りが重い感じがする事があったり、なかったり…。最近は1幕目ちょっと重い感じで、2幕目、3幕目になるとエンジンがかかっていくのか、踊りのキレが良くなる…ということが多いように思われます。(多かれ少なかれこういった事はあるのでしょうが、出だしの動きの鈍さが少し目立つのです)。そんなわけで、少し気になるのは体型…顔とお腹が…(汗)でも2月頃よりは良いかも。それでも踊りの印象が軽やかなのが不思議です。

金の像はデニス・メドヴェージェフでした。太鼓の人たちの踊りといい、この辺りの場面はスピード感があって盛り上がりますね。にぎやかで派手ですし、つい踊りのテクニックに目がいってしまいがちだと思うのですが、勢いだけではなく丁寧に踊っているところがいいですね。

3幕、影の王国の3つのバリエーション。
第1…エレーナ・アンドリエンコ
第2…クセーニヤ・クレン
第3…チナーラ・アリザゼ
・・・濃すぎです。

モスクワからの劇場だより

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