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バレエ辞典 A-F

2022年1月26日

バレエのタイトルの邦訳など。
上演時間・構成は劇場によって異なるので、目安とお考え下さい。

A / B / C / D / E / F / G-P / Q-Z

タイトル 英語 / ロシア語 / 日本語
基本データ
あらすじなど


<A>
Anna Karenina / Анна Каренина / アンナ・カレーニナ

音楽:ロジオン・シチェドリン
振付:アレクセイ・ラトマンスキー
構成:2幕
上演時間:1:50

トルストイの名作をバレエ化した作品。政府高官カレーニンの妻、アンナは兄のオブロンスキーによばれてモスクワに来た際、モスクワ駅で青年将校ヴロンスキーと運命的な出会いをする。夫を捨ててヴロンスキーと田舎での生活を始めるものの、貴族社会からつまはじきにあい、また次第にヴロンスキーの心が離れていったことから、絶望して列車に身を投げて自殺する。


Anyuta / Анюта / アニュータ

音楽:ヴァレリー・ガヴリーリン
振付:ウラジーミル・ワシリエフ
構成:2幕
上演時間:2:20

貧しい父親と、弟たちを支える貧しい少女は、豊かな役人に見初められ嫁ぎ、愛する恋人と別れる。やがて彼女は舞踏会で閣下の眼に留まって彼の恋人となるが、夫は出世のためにそれを黙認する。チェーホフの短編をバレエ化した作品。



<B>
La Bayadere / Баядерка / バヤデルカ(ラ・バヤデール)

音楽:レオン・ミンクス
振付:マリウス・プティパ
構成:3幕
上演時間:2:55

インドの寺院に仕える舞姫ニキヤは戦士ソロルと恋仲だが、主であるラジャー(王侯)の娘ガムザッティに見初められ、ニキヤを裏切り結婚を承諾してしまう。

僧正の舞姫への恋慕、三角関係のもつれ、謀略など、メノドラマのような展開と音楽が退屈させません。


The Bedbug / Клоп / 南京虫

音楽: ドミトリー・ショスタコーヴィチ
振付: レオニード・ヤコブソン
上演時間:0:30

マヤコフスキーの詩をバレエ化したもので、アヴァンギャルドの旗手であった2人のコラボレーションで生まれた作品。


Bright Stream / Светлый Ручей / 明るい小川

音楽:ドリトリー・ショスタコーヴィチ
振付:アレクセイ・ラトマンスキー
構成:2幕
上演時間: -

ソ連時代の集団農場コルホーズが舞台で、主役はそこで農業を学ぶピョ-トルと、その妻ジーナ。ジーナはかつてバレエを学んでおり、収穫祭のためにモスクワからやってきたダンサー、かつての同窓生と再会する。しかし夫ピョートルがそのダンサーに惹かれているので、複雑な気分だ。

彼女を励ますために、ダンサーとそのパートナーはある計画を立てる。仮面をかぶり、同じ衣装を着た二人のダンサーがピョートルの前に現れる。驚くピョ-トルだが、片方は愛妻ジーナの変装だった。2人は仲直りし、そして収穫祭は、成功に終わる。



<C>
Carmen Suite / Кармен-сюита / カルメン組曲

音楽:ロジオン・シチェドリン
振付:アルベルト・アロンソ
構成:一幕(小品)
上演時間:0:50

オペラのカルメンのとくに有名な音楽を、シチェドリンが選んで編集した使用したバレエ作品です。あらすじはオペラと同じですが、カルメンとホセ、トレアドールの関係に焦点があてられています。こちらの方がより抽象的です。


Cavalry Hart  / Привал Кавалерии / 騎兵隊の休息

音楽:I,・アルムシュマイヤー
振付:マリウス・プティパ
上演時間:0:30(小品)

農家の娘、マリアとテレーザはペーターに恋している。ある日村に大佐率いる騎兵隊がやってきて、それぞれの家に散開して休むように言う。反対したペーターは逮捕されかかるが、マリアが助け出す。
一方、村一の美女テレーザは兵からの注目を一身に浴びて、大佐も彼女に言い寄る。マリアとペーターが結婚することになり、大佐の魅力に気づいたテレーザだが、騎兵隊の休息は終わり、兵はみな去っていく。

Cinque / - / -

音楽:A. ヴィヴァルディ
振付:マウロ・ビゴンゼッティ
構成:一幕(小品)
上演時間:0:45


Cipollino  /  Чиполино  / チッポリーノ

音楽:カレン・ハチャトリアン
振付:ゲンリッヒ・マイロフ
構成:2幕
上演時間:2:30

野菜と果物が暮らすおとぎの国が舞台。たまねぎ坊や・チッポリーノと赤カブ一家の娘・ラディショーシュカがさくらんぼ伯爵の力を借りて、わがままなレモン王子を追い払う。
絵本が原作子供向けバレエですが、見せ場も多く、大人でも楽しめます。


Cinderella  / Золушка / シンデレラ
 
音楽: セルゲイ・プロコフィエフ
振付: アレクセイ・ラトマンスキー(M)、ユーリィ・ポーソホフ(B)
構成: 3幕
上演時間:2:50

粗筋はよく知られている「シンデレラ」のままですし、プロコフィエフの音楽も魅力的な作品です。劇場により演出・衣装も全く異なるので飽きません。

Chopiniana /  Шопениана / ショピニアーナ(レ・シルフィード)

音楽:フレデリック・ショパン
振付:ミハイル・フォーキン
上演時間:0:35(小品)

ショパンのエチュードを使って、詩人と妖精たちの世界を描いた小品美しい群舞はもちろんですが、ソロでは高度なテクニックもふんだんに用いられています。


Le Corsaire  / Корсар / 海賊
 
音楽: アドルフ・アダン/チェーザレ・プーニ/レオ・ドリーブ/リッカルド・ドリゴ
振付: 劇場により異なる
構成: 3幕+PRO+EPI
上演時間:2:30

舞台はトルコ治下のギリシャ。島の娘メドーラは友人のギュリナーラと共に難破した海賊船を見つけ、その頭領と部下を救う。彼女に恋した海賊は奴隷商人に捕まったメドーラを救い出すが、部下の反乱が起きてメドーラは又連れ去られてしまう、というお話。
エキゾチックな民族舞踊。海賊の勇壮な踊りなど、見所が多い作品。

Copperia  / Коппелия / コッペリア
 
音楽: レオ・ドリーブ
振付: マリウス・プティバ、セルゲイ・ヴィハレフ復元(B)
ローラン・プティ(D)
構成: 3幕I(B)、2幕(D)
上演時間:2:45(B)、2:00(D)
街娘スワニルダは自分の恋人フランツが、最近コッペリウス博士の家の窓辺に座っているコッペリアに夢中なのが気に入らない。遂にコッペリウスの家に忍び込んでみると、なんと彼女は人形だった。そこへ偶然フランツも忍び込んで来たが、コッペリウスに見つかってしまう。
博士は人間の魂を人形コッペリアに吹き込む、という実験をフランツで試してみたくなり実行。果たしてコッペリアは動き出し、博士は大喜びするが、実はスワニルダが入れ替わっていたのだった。
隙を見てフランツを助け出し、眼を覚ましたフランツはスワニルダと結婚式を挙げる。


Chroma  / - / クローマ

音楽: ジョビー・タルボット、ジャック・ホワイト
振付: ウェィン・マクレガー
構成: 1幕(小品)
上演時間:0:45

コンテンポラリー作品です。明確なあらすじはありません。

<D>

Don Quixote  / Дон Кихот / ドン・キホーテ
音楽: レオン・ミンクス
振付: マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴールスキー
構成: 4幕7場
上演時間:3:00

セルバンテスの小説が下敷きになっていて、舞台はスペインの港町バルセロナ。ドン・キホーテは旅の途中に、憧れの姫・ドゥルシネアにそっくりの街娘キトリに出会う。
彼女は貧しい床屋のバジルと恋仲だが、キトリの父親は貴族と結婚させたがっている。そこでドン・キホーテがひと肌ぬいでハッピーエンドとなる、というコメディ。

The Dying Swan  / Лебедь / 瀕死の白鳥 

音楽:カミーユ・サン・サーンス
振付:ミハイル・フォーキン
上演時間:0:04(小品)

「動物の謝肉祭」"白鳥"の音楽を使って、傷つき死んでいく白鳥を表現した作品。

<E>

Etude  / Этюды / エチュード

音楽:カール・チェルニー
振付:ハラルド・ランダー
上演時間:0:45(小品)

バレエのレッスン風景をバレエ作品として仕立てたもの。バーレッスンから始まり、最後は圧巻。


Ecmeralda  / Эсмеральда / エスメラルダ
 
音楽: チェーザレ・プーニ
振付: マリウス・プティバ、ユーリ・ブルラーカ復元(B)
ブルメイステル(D)
構成: 3幕I(B)、3幕(D)
上演時間:2:10(B)、2:50(D)

ユーゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ」が原作。美しいジプシーエスメラルダは司祭フロロに目を付けられ、鐘楼守りのカジモドを使って、エスメラルダを攫わせようとするが失敗する。彼女は騎士フェビュスと恋仲になるが、彼には婚約者がいた。婚約者フロール・デ・リースの庭でのパーティーでバッタリ出会ったエスメラルダは、全てを暴露して走り去る。っかり彼女の虜になっていたフェビュスも彼女を追う。しかし嫉妬したフロロにフェビュスは殺され、その犯人として捕らえられたエスメラルダは無実の罪で処刑される。

(※公式HPではボリショイ劇場版の上演時間は2:10となっていますが、実際はもっと長かった気がします。)

<F>

The Fountauin of Bakhchisarai  / Бахчисарайский фонтан / バフチサライの泉

音楽:ボリス・アサフィエフ
振付:ロスチスラフ・ザハロフ
構成:4場+PRO+EPI
上演時間:2:50

ポーランド公女マリアは、ある日ギレイ汗の侵攻により、家族と恋人ワツラフを殺されて、自らも連れ去られる。ギレイ汗はマリアの美しさに心を奪われるが、彼女は嫉妬した後宮の妃・ザレマによって殺されてしまう。

プーシキンの詩劇をバレエ化した作品で、装置・衣装も凝っていて話の筋が追いやすく、気楽に楽しめます。


La Fille du Pharaon /  Дочь Фараона / ファラオの娘

音楽:チェーザレ・プ-ニ
振付:ピエール・ラコット
構成:3幕
上演時間:2:55

ボリショイ劇場が復刻した古典バレエ。豪華な衣装と装置が見もの。
ウィルソン卿は夢の中でエジプト人タオールになって、エジプトの姫、アスピチアをライオンから救う。二人は恋に落ちるが、彼女はヌビアの王と結婚することになってしまう。
侍女ラムゼの助けを借りて駆け落ちするもの、タオールの外出中に追っ手がかかり、アスピチアは川に身を投げ、タオールも捕らえられる。アスピチアは川の精らによって無事地上へ生還し、父ファラオに懇願し、遂に二人は結婚を認められる。


La Fille Mar Gardee  /  Тщетная Предосторожность /  無益な用心 (リーズの結婚)
 
音楽: フェルディナン・エロール
振付: フレデリック・アシュトン(B)
オレグ・ヴィノグラードフ(L)
構成: 3幕
上演時間:2:30

裕福な農家の娘リーズは農夫コーラスと恋人同士だが、彼女の母親シモーヌは大葡萄園主の息子アランと結婚させようと考えている。
リーズは隙を見てはコーラスと会っているので、シモーヌは彼女を閉じ込め、アランと彼の父、結婚公証人を呼んでくる。しかし、機転をきかせて忍び込んだコーラスと2人でいるところを見つかり、遂にシモーヌは2人の結婚を認める。


The Flames of Paris  /  Пламя Парижа /  パリの炎
 
音楽: ボリス・アサフィエフ
振付: アレクセイ・ラトマンスキー)
構成: 2幕
上演時間:2:10

ワシリー・ワイノーネンが振付けたソ連バレエを、ラトマンスキーが復元した作品です。


舞台はフランス革命。兄ジェロームと妹のジャンヌは、地方の農村に住んでいたが、領主である侯爵にジャンヌが狙われたため、彼女をかばってジェロームを逮捕される。しかし、侯爵の娘であるアデリーヌは、こっそりジェロームを逃がす。助かった兄妹は侯爵から逃れるためマルセイユに向かい、義勇隊に加わる。そこでジャンヌは義勇兵のフィリップと恋仲になり、またジェロームも、革命の混乱から逃れてきたアデリーヌと再会し、恋仲になる。そして革命は成功し、貴族たちが続々処刑されるなか、自分の父がギロチンにかけられるのを目撃したアデリーヌは、我慢できず駆け寄ってしまう。このことで彼女の身分が暴露され、彼女も処刑されてしまう。


Fortythe at the Mariinsky  / Форсайт в Марийнском / フォーサイス・プロ

上演される作品は日よって異なります。 コンテンポラリー・ダンス(モダン・バレエが更に進化して出来たジャンル)の巨匠ウィリアム・フォーサイスの小品を集めて上演するプログラム。



*略号 PRO = プロローグ / EPI = エピローグ / (B) = ボリショイ劇場 /(D)= モスクワ音楽劇場 / (M)= マリインスキー劇場 / (L)= ミハイロフスキー劇場


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