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ボリショイ・ザール(2007年10月24日)

2007年10月24日

■会場にたどり着くまで

 まずは名称から。ボリショイ・ザールというよりも「フィラルモーニア」という方がロシア人には通じやすいです(もちろん正式名称ではないのですが)。
 
 街の最中心部ということで色々な行き方があるのですが、今回は一番メジャーであるメトロを使ってみました。最寄り駅はガスチーヌィ・ドヴォール/ネフスキー・プロスペクト駅です。グリバエーダヴァ運河に面した出口を使うと、そこから徒歩2分という好立地です。出口すぐ近くにマールイ・ザールというコンサート・ホールがあるので、少し紛らわしいですが、グランドホテル・ヨーロッパの向かいにあるのがボリショイ・ザールです。

 入り口が複数あるので少し迷うと思いますが、チケット売り場への入り口はホテル側で、入場口は芸術広場に面したところにあります。ただ実際は開演30分前には既に多くの人が会場に集まってくるので、迷うことはないと思います。


写真:グランド・ホテル・ヨーロッパ側から見えるカッサ(チケット売り場)。
(カフェの入り口と一緒になっていて、入って左手にカッサがあります。)

■席に着くまで~劇場の施設について~

まず入り口を入るとすぐにクロークがあって、非常に混雑しています。でも、ここで無理にクロークの順番を待たなくても、中央階段の中2階、ホール入り口(いわゆるチケットもぎ係りのカウンターがある所)の近くにもクロークがあるので安心です

 階段を上りきった所でパンフレットを売っています。30ルーブル(=140円弱)ですが、基本的に露語版のみとのことで、ロシア語が得意でないという人は、記念程度の意味しかないかもしれません。 女性は気になるお手洗いのお話ですが、客席1階と2階に1つずつ、しかも個室は合計7つだけ!ということで、非常混雑することを覚悟してください。

 建物の構造は、中央階段を中心にして、2階客席への階段、一階客席入口、お手洗いなど、ほぼ全ての施設が配置されてるので、シンプルだと思います。ホワイエにはビュッフェはもちろん、興味深い展示品が沢山あるので(なんといっても1802年創立!)、是非足を運んでください。続き部屋になっていて、一階客席につながっています。

写真:中央階段
(階段を下りるとクローク、上って左手に女性トイレ、正面にホワイエがあります。)


■公演

 この日の演目は「オルガン音楽の夕べ」でした。オルガンという施設を持っているホールは限られているそうですが、さすがはペテルブルク一のコンサートホールだな、という感じです。クラシック音楽に対する造詣は深くない私ですが、会場の雰囲気から、今日が特別なイベントというわけではなく普段から高水準の公演を行っているというのが伺えます。

 客席にも観光客は少なく、外国人の姿はまばらだったので、本当に地元の人に愛されて200年以上続いてきたホールなんだろうと思います。客席で、「当ホールに対する要望がございましたらお知らせ下さい」というアンケートを配っていたのが印象的でした。日本ではおなじみですが、ロシアでこれを見たのは初めでだったからです。 

公演自体にも勿論満足しましたが、観光客ずれしてないというか、落ち着いていて全体にとても雰囲気のいいホールだなという感想です。チケット代は当日券だったので最廉席はもうなかったのですが、それでも300ルーブリ(=1400円)と気軽なお値段。周りも若いカップルや親子連れが多かったです。こういう施設が日常の中に溶け込んでいるペテルブルクは、なるほど芸術の都。住民がうらやましい限りです。

写真:客席内
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