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マリインスキー劇場(2008年3月1日)

2008年3月1日

■会場にたどり着くまで
 
   最寄り駅はサドーヴァヤ駅/センナヤ・プローシャチ駅となっていますが、結構離れたところにある上に迷いやすいので、初めて行かれる方は30分位見ておいたほうが安心かもしれません。最短距離、というわけではありませんが、一番わかりやすい行き方は、ともかくグリバエーダヴァ運河(駅のすぐ北側を流れています)をひたすらまっすぐ歩き、獅子の像のある端で対岸に渡り(ここで渡っておかないとその後橋がないので、目の前に見えてるのに大きく迂回する羽目になります)、もう少し運河沿いに歩いて最初の角を右に曲がるとコンセルヴァトーリヤの裏手に出て、すぐマリインスキーが目に入ります。

 なお、夜の運河沿いは若干治安が悪いので、公演後はタクシーを手配しておいた方が確実だと思います。

 ネフスキー大通りから行かれる方は、モイカ運河沿いをひたすらまっすぐ30分くらい歩いていくのも、景観が美しいのでいいかもしれません。マルシュルートカで行くならグランド・ホテル・ヨーロッパ側のバス停で169、180番(3、22番バスでも可)に乗れば10分ほどで着きます。

 チケットは街中のチケット売り場でも買える様になったので、事前入手は楽になりました。ガスチーヌィ・ドヴォールにはマリインスキー劇場の出張ボックス・オフィスもあります。

写真:客席内


■席に着くまで~劇場の施設について~

 劇場内はつくりが複雑なので全てを紹介することはできませんが、まず客席は平土間席、ベヌアール(実質1階)、ベリエターシュ(2階)、第一ヤールス(3階)、第二、ヤールス、バルコン(4階)第三ヤールス(5階)です。階ごとに入り口が分かれているので、迷うことはないと思います。クロークも各階にり、チケットを見せると預かってくれるシステムになっています。

 お手洗いは基本的に各階にありますが、一階だけは婦人化粧室がありません。代わりに2階の両サイドに2箇所あります。

プログラムはロシア語版が20ルーブリ(≒90円)、英語版が40ルーブリ(≒180円)です。なお、このプログラムはキャストとあらすじだけが書かれた薄い冊子です。日本で売っているような写真などが掲載された本はブクリェート(ブックレット)といって、何かのイベントの際、また一部の演目でも発行されています。どこででも売っているので探す必要もないと思いますが、2階のメイン・ホワイエの両脇にあるおみやげ物コーナー、また1階右側にあるスベニールショップ(右写真)には特に充実しています。値段は50~200ルーブルです。

 なお、ビュッフェもほぼ各階にありますし、2階にはカフェもあります。ですがそれでもさすが天下のマリインスキー劇場というか、ヨーロッパ系の観光客が多い日はどこもかなりの行列になり、下手をすると並んでいる間に休憩時間が終わってしまう、ということもあるので、早めに並んだほうがいいと思います。

 
写真:スベニール・ショップ
(街中の書店では扱っていないオペラ・バレエ関係の書籍、また舞台写真の販売もしています。)

 
■公演
 
  この日のマリインスキー劇場はバレエ「眠れる森の美女」でした。セルゲイエフ版ではなくて、19世紀当時を再現したヴィハレフ復元版の方です。衣装・装置はキレイなんですが、4時間15分もあるので、結構疲れます。

 主役のオーロラ姫を踊ったヴィクトリア・テリョーシキナは2月27日に功労芸術家になったばかりだったので、今日がそのお披露目に当たるのかな?と思っていたら、キャスト表にはまだその称号が反映されていませんでした(4日分にはちゃんと記載されてました)。舞台からかなり近い席で観ていたのですが、足音が気にならなかったのは彼女だけでした(アリーナ・ソモワも基本的に小さめですが、時々ドン!と響いてました)。とはいえ舞台に近すぎて照明のにおいに酔ってしまい、踊りそのものをちゃんと味わうことが出来なくて残念です。

 アリーナ・ソモワはアントン・コルサコフと一緒に青い鳥のパ・ト・ドゥを踊りました。元々素材は抜群なので、キレイにパがきまるととてもキレイです。ただまだまだ筋力不足なのか、一旦音に遅れだすと途端に雑になるので、かなりムラがある印象。逆にコルサコフはもうちょっと体絞って欲しいな~と思いますが、筋肉質な踊りを披露してくれました。

 デジーレはレオニード・サラファーノフでしたが、幻影の場でのアダージョがなかったので、元々少ない王子の出番が更に少なくなりました。そのためか、3幕のソロではとても気合が入っていて良かったと思います。

 その他良かったのがダイヤモンドのエカテリーナ・オスモルキナ。遅咲きの花というか、観るたび少しずつ華やかになっていくので面白いです。ただたまに簡単なところでカクっとなるのがもったいないです。やっぱり、目立つ若手はそれなりに巧みというか、揃って足音が小さかったです。

写真:ベリエターシュの18番ボックス席から
(舞台に近くて臨場感があり、なおかつお値段もお手ごろ、ということでここがマリインスキーで一番お得な席かなと思います)
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