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マリインスキー劇場 第10回国際バレエフェスティバル 『白鳥の湖』 2010年4月21日
2010年4月21日
音楽:P・チャイコフスキー
振付:M・プティパ、L・イワノフ、K・セルゲーエフ(リダクション)、
Y・グリゴローヴィチ(パ・ドゥ・ドゥと二幕の黒鳥バリエーション)
出演
オデット・オディール―S・ザハロワ
ジークフリード王子―A・ウヴァーロフ
王子の友達―V・マルティニュク、Y・セリナ、M・ジュージン
ロットバルト―K・ズヴェーレフ
もうそろそろの引退をささやかれているウヴァーロフ。彼は私の子供時代にちょうどボリショイのヒーローとして輝いていたので、ちゃんと見届けねばと劇場へ向かいました。そこで観たのは何とも不思議な…。やっぱりよる年波には勝てない、ということもわかりましたが、いままですばらしい舞台で感動を与え続けてくれた彼にありがとうと言いたいです。
ザハーロワの完璧なプロポーション、ああいうのを美の化身とでもいうのか。内面からにじみ出てくるものはないのでドラマティックな感動は期待できませんが、ただただそのフォームの美しさに感心してしまいます。ウヴァーロフは剣呑な足運びがなんとなく夢の中を浮遊しているような印象を与えました。二幕の黒鳥の登場で急に元気になりますが、三幕はやっぱりゆったりのんびり。また眠ってしまったかのようです。美しい姫と夢の中をさまよう主人公。なんとなくドン・キホーテの夢の場を思いださせるような…。お芝居「白鳥の湖」が主人公の目の前を通りすぎていく、そんな感じを受けました。伸びのある跳躍やしっかりとした安定感は健在でさすがでしたが、ただ身のこなしがゆっくりになったのがそう思わせる原因かと。彼にとってバレエもまた美しい夢のできごとだったのでしょうか。
マリインスキー陣からは、鋭いラインのシルエットで、空気を裂くように素早い跳躍で登場したズヴェーレフのロットバルトが圧倒的な存在感で光っていました。
王子の友人たちのパ・デ・トロワはわくわくするような、祝祭的雰囲気に満ちていました。特にマルティニュクはその小柄な身体が舞台狭しとはずむようで客席を沸かせていました。
サンクト・ペテルブルクからのひとこと日記
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